うさ記録

エンタメと学びなど

碧海さりおさん入門キットを考える(2022年12月版)

ここ最近の公演を通して、宝塚歌劇団星組男役・碧海さりおさんのことが気になる方が今まで以上に増えた気がするので、「碧海さりおさんの過去の出演作をみたいけどどれを観たらいいか分からない……」という方向けにおすすめの過去の作品をまとめることにしました。

一部前回の同名の記事 ( 碧海さりおさん入門キットを考える(2022年2月版) - うさ記録 )と被っているところもありますがこちらが最新分になります。

結論だけ先に申し上げますと、ブルーレイ1枚だけ買う場合悪役がみたければ『柳生忍法帖/モアー・ダンディズム!』、正義の役がみたければ『めぐり会いは再び next generation/Gran Cantante!!』がおすすめです。

なお情報は2022/12/05現在のものです。

 

 

過去の公演のおすすめ作品(映像を手に入れやすいもの)

『めぐり会いは再び next generation/Gran Cantante!!』(2022年星組)

こちらの公演でさりおさんは王立騎士団準筆頭騎士ヴァルター・オルレインを演じています。

観ないと何のこっちゃと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、めちゃくちゃめちゃくちゃかっこよくてリアコ力(リアコぢから)が高い爆イケ騎士です。

お芝居の中でとにかく大活躍するので2022年12月現在さりおさんが気になっている方に一番おすすめしたい演目の一つとなっています。正義のさりおさんが見たければこの作品をみて下さい。

ショーでもさまざまな場面に登場しており、中詰では女役も披露します。美しいです。色んな姿を楽しめるのでおすすめです。

 

柳生忍法帖/モアー・ダンディズム!』(2021年星組)

こちらの公演でさりおさんは七本槍の一人・大道寺鉄斎を演じています。

敵役のうちの一人なのですが緑の羽織が似合う爆イケ散らかしでかっこいい催眠術使いのお兄さんを演じています。この公演から一気に活躍度合いが増し、見せ場が増えたように感じています。

悪役で悪散らかしてる(?)さりおさんが見たければこの公演をみてください。

そしてショーであるモアー・ダンディズム!でも大活躍しています。特に中詰(キャリオカ)やハードボイルド(ストライプスーツのかっこいい場面)ではAの男です。特にハードボイルドでの活躍は目を見張るものがあります。

 

 

『王家に捧ぐ歌』(2022年星組)

こちらの公演でさりおさんが演じるにはエチオピア王家の元家臣・サウフェです。

主人公から見れば敵チームではあるのですが、どちらかというと悲壮感が漂っていて実際舞台で観た時は「望んだ希望がすがった先にない人」という印象を強く受けました。(個人の感想です)芝居がとてもつらくてよかったです。フィナーレも見せ場多めでキラッキラで本編とのギャップがいいです。

さりおさんのお芝居をじっくり見たいならこの公演がおすすめです。

 

ロミオとジュリエット』(2021年星組、A日程)

この公演をきっかけに碧海さりおさんの名を知った方も多いのではないでしょうか。

さりおさんが演じているのは愛というセリフはなくダンスだけで全てを表現する役です。女役です。

さりおさんの美しいダンスやたしかな表現力をじっくり見ることができます。また出番も多めでおすすめです。

 

『眩耀の谷/Ray』(2020年星組)

さりおさんが最初に公式ホームページの主な配役入りした公演です。

さりおさんが演じるのはプラトという少年の役です。ダンスも台詞もありこの頃からたしかな実力を持っていたことが実感できます。ショーは金星の場面(黄色い衣装の瀬央ゆりあさんが真ん中の場面)がみどころの一つですがあちこちに映っているので探しながら見てみてください。

 

過去の公演のおすすめ作品(映像を手に入れづらいもの)

『ベアタ・ベアトリクス』(2022年星組)

この公演では画学生の主人公・ロセッティ(極美慎さん)の同級生であるウィルを演じています。

「さりおさんの芝居でこんな役が見たかったんだ……!」が詰まっています。かわいい青年から素敵な髭のおじさままでを重厚なお芝居と共に素敵に演じています。そして主人公をいつも気にかけるいい役どころです。

こちらはまだ放送されていませんが、千秋楽まで無事に終わったのでいつかタカラヅカスカイステージで放送されると思われます。まだの方は契約して待ちましょう。

 

『GOD OF STARS-食聖-』(2019年星組、新人公演)

こちらの公演では売れないご当地アイドルの一員・P-heaven(本役:天華えまさん)を演じています。

とにかくビジュアル作りが最高です。サイド編み込み銀髪イケ散らかしアイドルのさりおさんが見られるのはこの公演だけ!!!!!!!あと後半のアイドルコンサート場面のダンスがかっこよすぎです。

私はこの公演でさりおさんに落ちました。

スカイステージでは放送済みなので録画している友人を頼ったりリクエストを送ったりして再放送を待ちましょう。

 

『こうもり』(2016年星組、新人公演)

こちらの公演では執事のアルフレード(本役:礼真琴さん)を演じています。

さりおさんが入団後最初にもらった大きな役ですが、研2のフレッシュさを感じるとともに舞台度胸や実力もしっかり感じさせてくれます。

こちらもスカイステージでは放送済みなので録画している友人を頼ったりリクエストを送ったりして再放送を待ちましょう。

 

オフのすがた

「どっち?どっち?リターンズ」

現在最もアクセスしやすいオフのさりおさんの映像の一つです。さりおさんの色んな面を楽しむことができます。

 

「もっと!男役道~星組編~」

こちらは2018年ごろに収録された映像なので少し前のものになりますが、さりおさんの男役としての意気込みを感じられておすすめです。

 

Let’s トライ!どっち?どっち?クイズ!!<番外編付>~星組編〜

こちらは2022年のお正月にスカイステージで放送されたものです。

極美慎さん、舞空瞳さんと共に楽しいクイズや和やかなトークを繰り広げます。

 

歌声

明日への音楽

曲のチョイスが優しい歌声と合っていてリアコ力が高いです。映像付きでみるとよりリアコ力を感じることができるので、録画している友人を頼ったりリクエストを送ったりして再放送を待ちましょう。

SUN

SUN

 

音楽の宝箱

こちらも少し前にスカイステージで放送されたものです。下級生らしさがありつつも今に繋がるものも感じます。

朝日の昇る前に

朝日の昇る前に

 

書籍

RISING STAR GUIDE 2021

さりおさんに関する情報が載っているもので一番情報量が多いのがこちらになります。内容が充実しており、写真もかっこいいので気になっている方はぜひ購入しましょう。

 

おわりに

現在碧海さりおさんは宝塚大劇場公演『ディミトリ/ジャガービート』に出演中です。

今回の公演でも大活躍でめちゃくちゃかっこいいし、公演のたびに思うのですが今のさりおさんが一番かっこいいので(星組『ディミトリ/ジャガービート』感想 - うさ記録参照)、ぜひ劇場やライブ配信などでご覧ください。

 

 

 

 

星組『ディミトリ/ジャガービート』感想

お久しぶりです。呆然としているうちに時間が過ぎてしまいましたがなんだかんだで生きています。

 

『ディミトリ/ジャガービート』を何回か観たのでその感想を書きます。だいたい碧海さりおさんがかっこよかった話です。若干ネタバレがあるので前情報無しで観たい方はご注意ください。

 

 

ディミトリ感想

碧海さりおさんがかっこよかった話

碧海さりおさん、かっっっっっっっっっっっっこいい………………………………

いつものことなんですけど、ここ最近今まで以上に加速度的にかっこよさが増してませんか?????

おそらく身体の強さ(広義の)がかっこよさをもたらしている一因なんだろうな……と感じます。だってあのダンスよ。ジョージアンダンスのさりおさんがめちゃくちゃめちゃくちゃかっこよくて、生田先生の慧眼は正しかったのだと思いました。

各種メディアで「漢」を目指すことをよく公言しているさりおさんですが、そうするようになってからものすごい勢いで凛々しくかっこよくなっていてびっくりします。まさに有限実行の人。

身も心もかっこいいさりおさんに公演を観る度に新鮮な気持ちで驚いています。

そしてなによりもお芝居が良すぎてヨスになりました。好きなんだよ……お芝居も……前回がウィルだったのでこうねギャップにやられるしあの冷ややかさがたまらないです。またビジュアルづくりも今回最高でウェーブがかった前髪がすごく似合っていていいと思います。

 

ストーリーそのものの話

公演をみて、感動したのはもちろんのこと「生田先生、『斜陽の国のルスダン』を今の星組で、そして宝塚歌劇という場で上演するときにすべきことがわかってる……!」という気持ちを抱きました。

夢と希望と信頼の物語の場であるのが基本である宝塚歌劇という場を、そして原作をこよなく愛し、うまいこと潤色したなあと思います。

 

出演者の方の話

前提:どの方も素晴らしかったです。関心がある役をピックアップするつもりで下書きを書き連ねたら結構長くなりました。

礼真琴さんがありそうでトップスターになってからあんまりない役どころでよかったです。どこか儚さもありつつ強く生き抜いた一人の男性を見事に演じていたと思います。歌やダンスはもちろん、お芝居がめちゃくちゃいいんだな……

舞空瞳ちゃんがルスダンすごく似合っていてよかったです。原作から出てきたみたいだったし軍を集めるところがめちゃくちゃかっこいいです。最後のあの流れに毎回泣かされています。

瀬央ゆりあさんのジャラルッディーンもめちゃくちゃよかった……瀬央さんの持ち味もお芝居の力もスターとしての存在感もよく出ていたと思います。芝居心がある人は芝居心があるし芝居の技術がある人は芝居の技術がある。

暁千星さんのアヴァクさん……難しい役どころだと思いますが、暁さんのお芝居にちゃんと全部答えが書いてあるのが本当にいいと思います。全ツをきっかけに今まで以上に暁さんを好きになりましたが、期待以上のものを出されていいものを観たという満足感がすごいし未来がますます楽しみになりました。いずれ単独の記事を書きたいかも……とちょっと思うぐらいよかったです。

綺城ひか理さんのギオルギ、もう、この方なしでは今回の物語は成り立たなかったのでは!?と思わされるほど何もかもがよかったです。個人的にギオルギとバテシバは物語のテーマを担う役どころだと思っているんですが、それを見事に演じ切ったなと感じます。

有沙瞳さんのバテシバもギオルギ同様この物語になくてはならない存在だと思います。別れの場面の涙にこちらも泣かされました。歌もお芝居もたまらなく好きなんだよ……表現力とこちらに感情を伝える力がすごくて……あとデコルテがキラキラしててよかったです。

天華えまさんのナサウィーもとてもよかったです。天華さんの役作りのプランニングとそれを表現する確かな実力が最高に輝いていたと思います。天華さんのお芝居は私が言葉を尽くすより実際に観てもらった方が早いな……という気持ちになるのであまり言葉が思い浮かびませんが心には刺さりまくっています。

極美慎さんのミヘイル、オタクみんな好きなやつでしょ!?!??!??!??!?結論:極美さんのお芝居が大好きです。だってあんなお芝居見て好きにならずにいられます!?極美さんのお芝居そのものも大好きだしそのお芝居をするに至った極美さんの心そのものが美しいな……って思います。

さりおさんは今回天飛華音くん水乃ゆりちゃんと今回一緒に行動する場面が多かったのですが、贔屓をみることに必死になってしまうが故にガン見はできていません……。それでも天飛くんは眼がいいし芝居もよくて身体が効くのがわかったし、ゆりちゃんは本当にいい役者だなあ……と思いました。

 

 

ジャガービートの感想

さりおさんが最高にかっこよかったけど、アレ、何……!?

というのが第一印象です。1回目は「さりおさんめちゃくちゃかっこよかった🎶🎶🎶🎶🎶🎶でもアレ、何……??????????」と思いました。

宝塚のショーってなんだかんだで理解できることを前提に作られていると思うんです。でも今回はその前提があるがゆえに初見時に贔屓の活躍に喜びつつも困惑して終わったのだといま振り返って思います。2回目以降は理解できなくても贔屓がかっこよくて楽しそうに舞台に立ってたらそれでええねん🎶というスタンスでいると楽しめました。

 

落ち着いて、さりおさんがかっこよかった話

まだ全貌を理解できていないのですが、とりあえず贔屓の場面は全部把握できているはずなのでその話をします。でもほぼ「かっこいい」しか言っていません。お芝居もそうなんですがとにかく「漢」前度がマシマシでめちゃくちゃイケ散らかしてて最高でした。

まずプロローグについてですがいきなりめちゃくちゃかっこいいです。暁さんの銀橋ソロ、ロケットの衣装の子が並んだところの前で爆踊りしているのですがそれがかっこよくてかっこよくて……!注目ポイントの一つなのでぜひご覧ください。今回ショーではがっつり青系のアイシャドウを入れているのですが、それがあの衣装と合っていて良いです。

そしてライオンA!サイトー先生らしいビジュアル作りが似合ってて良いしやっぱり爆踊りでかっこいいです。初見時にあの活躍ぶりに度肝を抜かれました。

中詰で有沙瞳さんと稀惺かずとくんと一緒に銀橋を渡ります。嬉しい!その後もマントをつけて登場したり綺城さんの歌の場面で踊ったりします。ダンスの良さを存分に味わえます。

瀬央さんバファローが礼さんジャガーを追い詰める場面では迷彩の軍服みたいな服を着ています。チェーン持って踊っててそんなことある?って思いました。かっこよかったです。

男役群舞もあの変形燕尾(?)をかっこよく着こなせるのがすごいし漢前がすごくてよかったです。

パレード腕まくりなんですよね……かっこいい……下手花道にいます。

 

 

まとめ

さりおさんの漢前がすごくてかっこよくて最高でした!躍進の公演でもあるなと感じていて、この公演をさりおさんのファンとして迎えられてよかったなと思います。

公演自体もすごくいいです。ディミトリで泣き疲れ、ジャガービートで体力を使うので公演期間中は心身をしっかり強く持っていきたいです。

 

何も知らずに観た怪盗クイーンの映画がメチャメチャよかった(ネタバレなし)

 

タイトル通り何も知らずに映画『怪盗クイーンはサーカスがお好き』を観た人の感想です。ノリと勢いで書き殴っています。語彙はないです。ネタバレもないです。

 

メッッッッッッッッッチャよかった‼️‼️‼️‼️ので色んな人(特にヅカオタたち)に進めて回りたいです‼️‼️‼️‼️‼️‼️

 

まず私は2014年(大和悠河さんは退団した後です、映像では在団時代を知っています)からのヅカオタです。ミュージカル自体も好きで加藤和樹が出演されている作品も何度か観劇しています。はやみねかおるさんの本は文章術知りたさに読んだ『めんどくさがりな君のための文章教室』のみですがすごくためになる本だなあと思いつつ何度も読み返していました。

 

 

怪盗クイーンについてはその名前と「大和悠河さんと加藤和樹さんが声優をやるアニメ映画があるらしい」という情報だけ知っている状態で「この二人が声優やってるんか〜じゃあ観てみるか🎶時間もちょうど空いてるし🎶」ぐらいのノリで観ました。

 

 

結論、怪盗クイーン全然知らない人でもメチャメチャ楽しめる超いい映画でした。

 

まず怪盗クイーンという存在が夢詰まりすぎだしエンタメとしての質がよすぎませんか⁉️⁉️⁉️

夢の詰まった質がいいエンタメ大好きな人間、すなわちヅカオタ(巨大主語)(でもヅカオタ多くはそうだと思う)に刺さりまくる内容でした。

性別年齢国籍不明の麗しの怪盗、しかも声が大和悠河さんなんてぜったいこう"刺さる"やつじゃん‼️って思います。お茶目なところもありつつ徹頭徹尾かっこよく描かれててサイコーだなって思いました。

存在がロマンなんよ、怪盗クイーン……

 

 

お話自体もすごくわかりやすいのにちゃんとミステリーをやっててすごいなって感じたし、最後の終わり方もしっかりメッセージがこもってていいなって思います。エンタメとしての質がメチャメチャいいんよ‼️(2回目)原作知らない人への説明もちょうどいい量でした。あと1時間弱という尺もちょうどよく、疲れた時に円盤みて元気だすのによさそうだな……と思ってたらもう円盤自体は出てるんですね⁉️⁉️⁉️⁉️買います。

ジョーカーはじめとする怪盗クイーン以外のキャラクターも魅力的で、もっとこの世界に浸っていたい気持ちのなりました。原作も読みます!いきなり沼に落ちた人みたいになってるけど沼と呼ぶには美しすぎるな……なんか観終えてから心身が健康になった感じあるし。

 

「あんな文章の書き方の本書ける人の書く物語なんて面白いに決まってるやんけ‼️もっと早く気付いて⁉️」とも「いやでもこの映画が怪盗クイーンとの出会いでよかったかもしれないな……」とも思います。これから原作を読んだり円盤を買ったりして怪盗クイーンの世界を楽しんでいきたいです‼️

 

 

ヅカオタが放送大学で舞台について学んでみた(中間報告編)

タイトル通り、いち宝塚歌劇団ファンが放送大学の科目履修生になり、「舞台芸術の魅力」という科目を学んでいる最中なので、感じたことなどを書き連ねます。

あくまでも個人の感想であり、全ヅカオタの意見を代表する記事ではありませんので悪しからず。

 

前提:放送大学とは通信制の大学です。科目履修生は半年だけ在学して1科目から好きな科目を受ける学生です。

 

 

そもそものきっかけ

きっかけはいくつかあります。

  • 贔屓(宝塚で言う推しに近い言葉)の出る舞台が中止になりつらいので、返金で何か有意義なことをして気を紛らわせたかった
  • 自分だけの力で本を読んだりエンタメや文化に触れたりして、理解や解釈をし、知を深めていくことに行き詰まり感や限界を感じていた
  • 前々から面白そうだとは思っていた
  • 前向きな意味(知的好奇心)でも後ろ向きな意味(教養がないことへのコンプレックス)でも腰を据えて学問のプロから学び、より自分が興味のあるものへの知見を深めたかった

などの条件が重なったことです。

文学の授業と迷ったりもしたのですが、今の状況になる前は月に一度は、贔屓の出る公演はさらに多く宝塚を観ていたぐらい宝塚が好きなので、一番身近でかつ贔屓や舞台そのものを深く理解できることに繋がりそうなことをやろう!と「舞台芸術の魅力」を受講することに決めました。

 

 

実際に受講してみて

感じたメリット

何よりも18000円(科目履修生の入学費7000円+授業料11000円)でここまで質の高い授業を受けられることに驚きました。

テキストと映像を用いた授業なのですが、どちらもメチャメチャ充実しています。テキストでは舞台を理解する上で重要な歴史や成り立ち、あり方についての説明がわかりやすくしっかり書かれており、映像はその強みを生かして、海外ロケやインタビューを活用して舞台の本質に迫るものとなっています。

そして舞台をより深く理解できるようになりたいという目的については、自分比では以前よりずっとクリアに理解できるようになりつつあると思います。

たとえばオペラの文脈について学び、『アイーダ』が原作である『王家に捧ぐ歌』への理解を深めたり、生前の蜷川幸雄氏へのインタビューを通して舞台そのもののあり方について学び、考えを巡らせることができるようになりました。

そして学問の楽しさや難しさ、広さや深さを日々実感しているところです。私はまだまだだな、と思うこともたくさんあります。それでも学んでいないときや自分だけでちょこちょこ学んでいたときより圧倒的に充実しています。

 

感じたデメリット

もちろんデメリットがないわけではありません。

通学制の大学とは違い、授業後いつでも先生に質問ができるわけではありません。

また、実際に現場に足を運んで何かを学ぶことや、身体を動かして何かをすることがこの授業にはないので、そこは別の何かで補う必要がありそうです。

またその気になればいくらでもサボれるので、通学制大学に通う場合以上に高い自己管理能力が求められます。

 

科目履修生になる前にやっておいてよかったこと

ずばり読解力向上のため現代文を学び直すことです。

元の日本語運用能力がちゃんとしていなければ身につくはずのものも身につきません。

この能力を身につけるには現代文解釈の基礎という本が役に立ちました。

またそもそもの勉強の仕方を知り、身につけるためには独学大全がおおいに役に立ちました。学ぶ上での自己管理の方法についても書かれているので、放送大学に入る前に読んでおくことを強くおすすめします。

 

学んだ結果やってみたくなったこと

全科履修生になることです。

もっとサボってしまうかなあと思っていたのですが、意外と何とかなることに気付いてしまい、またQOLがものすごい勢いで向上したためです。

そしてこの先チマチマ科目履修生をやるぐらいなら一回入学費払ったら10年まで在学できる全科履修生になった方が得だということに気付いてしまったからです。

あと科目履修生満了してから改めて全科履修生として入学する時って3年以内なら入学費が24000円から18000円まで割引されるんですよね……

またもっと色んな舞台をみてみたい気持ちがムクムク育っているので、早く今の状況が落ち着くといいなと思います。

 

結論:放送大学、おすすめです!学ぶことの大事さが増していくこのご時世、ぜひ選択肢に入れてください!

 

ネットで観られる七海ひろきさんと彩凪翔さんの出演作をまとめてみた

七海ひろきさんと彩凪翔さんが舞台・刀剣乱舞にて刀剣男士を演じることが決定しましたね。

 



宝塚歌劇団の過去の作品にはネット上でレンタルできるものもあります。

今回はその中から七海ひろきさん・彩凪翔さんが出演していた作品を簡単にまとめます。急いで作った簡単なまとめですので感想や説明は少なめです。

宝塚歌劇団公式YouTubeにダイジェストがある作品はそちらも掲載しています。

 

 

七海ひろきさんの宝塚時代の出演作

銀河英雄伝説@TAKARAZUKA(’12年、’13年宙組)

上の大劇場版ではミッターマイヤーを、下の博多座版ではオーベルシュタインを演じています。

 

燃ゆる風 -軍師・竹中半兵衛-(’17年星組)

主人公である竹中半兵衛を演じています。かっこいいです。

 

霧深きエルベのほとり(’19年星組)

主人公の仲間である船乗りのトビアスを演じています。退団公演であり、見せ場も多いです。

 

ANOTHER WORLD(’18年星組)

あの世を舞台に繰り広げられるラブコメです。七海さんはアホの子の喜六を演じています。

 

彩凪翔さんの宝塚時代の出演作

ルパン三世 —王妃の首飾りを追え!—(’15年雪組)

石川五右衛門を演じています。作品自体も面白いです。

 

春雷(’13年雪組)

こちらは『若きウェルテルの悩み』が原作となっており、彩凪さんはウェルテルとゲーテの二役を演じます。

 

ONCE UPON A TIME IN AMERICA(’20年雪組)

ジミーという役を演じています。芝居がメチャクチャいいです。

 

ハリウッド・ゴシップ(’19年雪組)

若手スター俳優・ジェリーを演じています。

 

もし円盤を買いたくなったら……

Thunderbolt Fantasy 東離劍遊記/Killer Rouge(’18年星組、七海ひろきさん出演作)

あのThunderbolt Fantasyで七海ひろきさんは殤不患を演じています。個人的には七海さんの代表作のひとつだと思っています。終盤のある場面が気絶しそうなほどかっこいいです。

 

るろうに剣心(’16年雪組、彩凪翔さん出演作)

あのるろうに剣心で彩凪翔さんは武田観柳を演じています。とにかく最高の役どころなので彩凪さんについて知りたい方、彩凪さんを好きになりつつある全ての方に観ていただきたいです!

 

 

七海さんや彩凪さんがどんな男役を演じるのか知りたい方はぜひ参考にしてください。

 

 

星組『めぐり会いは再び next generation/Gran Cantante!!』初日の感想

宝塚歌劇団星組公演『めぐり会いは再び next generation/Gran Cantante!!』の初日を観劇したので、感想を書きます。

主に碧海さりおさんがかっこよかった話です。

 

注意:物語の内容にはあまり触れられていませんが軽いネタバレがあります。ご注意ください。

 

めぐり会いは再び next generationの感想

碧海さりおさんがかっこよかった話

結論:碧海さりおさん演じるヴァルター・オルレインさんが最高にかっこよかったです‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️

柳生モアダンのとき(星組『柳生忍法帖/モアー・ダンディズム!』初日の感想 - うさ記録)と言ってることがほぼ同じじゃねーか‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️でも今回は大道寺鉄斎さんとは全く違う種類のかっこよさを醸し出していました。具体的に言うと「結婚」の2文字が浮かぶかっこよさでした。

実直でかっこよくて、結婚したら絶対幸せにしてくれるタイプの人やん…………という気持ちでいっぱいです。いやプリンセス・ネージュちゃん(華雪りらさん)とすごいお似合いで可愛かったので本当に結婚したいなんて烏滸がましいことは言わないけど、でも、「結婚」がゲシュタルト崩壊するレベルでかっこよかったです(?)

悪役とかわいそうな役ときてどんなお役かなあ🎶と思っていたところにこれは マジで ヤバいです。

碧海さりおさんのパフォーマンスとしては、台詞運びも身体のこなしもビジュアルもよく、芝居により磨きがかかっていたように感じます。そして最高にかっこよくて幸せだなあって思います。

 

その他の感想

お芝居そのものの内容としては「食聖のラストシーンのテンションがずっと続く感じの作品」という感想が真っ先に思い浮かびました。

贔屓の出番を把握するのに必死で全貌を把握できていないのですが、とにかく礼真琴さん舞空瞳ちゃんのルーチェとアンジェリークがすごくかわいく、キャラクターみんなが個性豊かで、星組と贔屓が好きな私としては何回でも観たくなる作品だなあって思いました!

個人的には極美慎さんの躍進がすごい嬉しいなと思いました。あと有沙瞳さんが新たな魅力を爆発させていて本当に愛おしくなりました。稀惺かずとくん詩ちづるちゃんの双子が理想の少年少女って感じでした。

 

 

Gran Cantante!!の感想

再び、碧海さりおさんがかっこよかった話

ほんと今回の碧海さりおさん、ぐっと大人度が増してメチャメチャメチャメチャかっこいいんだけど⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️

全場面大人の色気と男気……って感じで最高にかっこよかったです。あと表情管理がより進化していたように感じます。全部なんですけどコミカルな場面は特にです。

女装もあるのですがそこも綺麗で美しいお姉さん!という感じがして(初日なのもあり)必死に見つめていました。

とにかくかっこよくて頭が回らない中必死で文章をひねり出していますがだんだん言葉が出てこなくなってきたのでこの辺で切り上げます。

 

ショーそのものの感想

悪ふざけ要素なし女装ありブチ上がり演出多数ダイスケショー!って感じでした。楽しんで観られそうな感じです。(語彙の喪失)

 

まとめ

碧海さりおさんがまたしても最高にカッコいい値を更新してきた公演でした。今回の公演も楽しんでいきたいと思います‼️お芝居もまた変わっていく予感がするし観ていくうちに新たな発見もありそうなので書ければ別の日の感想も書きたいです。今いつもに増して語彙力ないのもあります……。

星組『王家に捧ぐ歌』御園座公演の感想

先日、『王家に捧ぐ歌』御園座公演を観劇したので、感想を書きます。

 

大前提:個人の感想です、そして全員よかった。

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ゴッホ展で購入した黄色い家のぬいぐるみとポスター

 

 

公演と通して実感したことなこの強み

ことなこ最大の強みは、同じ熱量で渡り合えるところにあるな、と強く感じた公演でした。

毎日あの熱量を保ち続ける礼さんはすごすぎるし、同じ熱量を持って舞台に立つのはきっとすごく難しいことなので舞空瞳ちゃんもすごいんですよ。

ゆえに命懸けの恋が似合いすぎてしまう、だから命懸けで恋する演目がどうしても多くなってしまうところはあると思うので、たまにはかわいいラブコメ……と思ったところにめぐり会いは再びが来るのがありがたいですね✌️ことなこというコンビに夢中になる方が多いの、わかります。

 

礼真琴さんのお芝居

礼真琴さん、歌唱力やダンスの実力がすごいのは言うまでもないですが、ラダメスというお役へのアプローチの仕方も見事だったと思います。

(情勢を顧みた受け手の眼差しの問題である可能性は否定できないけど、)序盤のラダメスがもつ戦うという意志を愚かとする眼差しが今回の『王家に捧ぐ歌』にはあったように思えて。

語弊ある言い方しかできないけど、礼さんは宝塚という枠組みのなかで人間の愚かさを表現するのがうまいように感じます。そしてそれは木村先生の精神性と相性がいい、とも思います。

だからこそそれ以降の展開と作品そのもののもつ「戦いは新たな戦いを産むだけ」というメッセージが強調されていたのではないでしょうか。

 

舞空瞳ちゃんの伝えるメッセージ

舞空瞳ちゃんのアイーダ、図らずしもその身体に背負う作品が持つメッセージが大きく重いものになってしまったけど、しっかりそれを伝えていたと思います。アイーダは恋心には揺れるけど信念は揺れないお役ですが、しっかりその揺れない芯をもってお芝居をして、「戦いは新たな戦いを産むだけ」というメッセージを伝えていたのではないでしょうか。

あと繰り返しになりますが、舞空瞳ちゃんの熱量、すごいんですよ……

 

碧海さりおさんサウフェのこと

前回の柳生忍法帖の公演期間もそうだったのですが、短いながらかつてないほどさりおさんのパフォーマンスに狂わされた公演期間でした。

毎回同じこと言ってるよね?でもサウフェの希望が「そこになければない」状態なのがずっとつらかったです。

さりおサウフェはアイーダに希望を見出しているしアイーダに縋っているんだけど、アイーダはもうサウフェの望むような人では、強く勇ましい「エチオピアの王女」ではなくなってしまっている、というか元々そうじゃなかったのかもしれない。

だから存在しない希望に縋っている人、望んだ希望が「そこになければない」人、という感じがしてずっとつらかったです。

前作『柳生忍法帖』での鉄斎さんは目に悪さ、悪の心が宿っていましたが、今回のサウフェは目にずっと悲しみが宿っていたと思います。

芝居がずっと好きなんですよ……

あと予想の斜め上を行く斬新なビジュアルに最初は驚かされましたが、これはこれで新しい演出にはあっていたと思います。かっこいい。

 

サウフェに限らないさりおさんのお芝居全般のこと

私こうもり新公をみたときからずっとさりおさんのお芝居が好きだったんです。

というのもお芝居から優しさや清らかさ、ピュアさを感じさせてくれたので。

ここ最近のさりおさんのお芝居からはもちろんそれらを感じることもできますが、それだけではなく、自分一人で人生を歩んでいたら、さりおさんと出会わなければ絶対に知ることのできなかった感情を知ることができたり、遠く(雪組さんの『fff』で言われているのと同義です)にたどり着けたりするようになって。

まだまだこの感情を正確に言語化できる力は私にはありませんが、とにかくさりおさんのファンでいられてよかった!って思います。生きる。

いずれまともに伝わる言葉で言語化できるようになったらブログなりツイートなりで発信しようと思います。

https://twitter.com/usaki_zu/status/1497885224725725184

フィナーレのこと

贔屓が最初の5人口にいるーーーーーーーー!?!?!?!?!?!?!?

本編がずっと悲しい役どころだったので、キラッキラの笑顔が見られてよかったなと思いました。

まぶしくてかっこよくて素敵な、私の大好きな贔屓じゃん……

ぜんぶハチャメチャにかっこいいです。

あと贔屓が真ん中降りをすると劇場からの帰り道で限界化しそうになることがわかったので、いつかあるかもしれない次の真ん中降りに備えてしっかり対策を考えていきたいです。

 

 

有沙瞳さんのアムネリス様

有沙瞳さんのアムネリス様が見られるの!!?!?!?!つまり……有沙瞳さんのアムネリス様で『聞きなさい!』からはじまるあのセリフが聞ける……ってコト!?!?!?!?」と配役出た時点で狂喜乱舞していました。

実際の有沙瞳さんのアムネリス様はそれは素晴らしく、そして私から色んな感情を引き出す役作りで、また有沙瞳さんのことを好きになりました。

https://twitter.com/usaki_zu/status/1498083593242886147

https://twitter.com/usaki_zu/status/1499661069815410693

観劇したさいに受けた印象としては、有沙瞳さんのアムネリス様は(カリスマ性と誇りの側面が強かった伶美うららさんのアムネリス様より)「ファラオの娘として生まれついたがゆえの責務」を感じている、という側面が強いなと思いました。

そして最後の「聞きなさい!」から始まるあのセリフに繋がるまでのお芝居がぜんぶ一本筋の通ったもので泣かされました。

池田泉州銀行の公式ホームページ(有沙瞳さん公演後レポート|池田泉州銀行 )をみると本当に伝えたい通りのお芝居をされていたことがわかりさらに驚き感動しました。

 

 

天華えまさんのケペル

今回の公演で天華さんについて強く感じたのは、「どんなお役も訴求力の高い、見応えのある役に仕上げ、本領を発揮することができる」「『そう生まれついてしまった悲しみ』の表現がうますぎる」ということです。

https://twitter.com/usaki_zu/status/1498925288780042243

「生きるとは何か、死ぬとは何か、戦場でしか学べなかった」人じゃん……
観客に考えさせる力がある、訴求力高い見応えのあるお芝居をしているのに明後日の方向に熱演してない、ちゃんと脚本との整合性も大事にしているのが天華さんのお芝居のすごいところだと思います。

 

 

極美慎さんのウバルド

今回贔屓と同チームかつ出るタイミングも死ぬタイミングも同じということで柳生ほどはよく見られなかったのですが、やっぱり極美さんのお芝居が、表現されるものが大好きだな……って思いました。いつも思っているけど。

激情の表現と正気からの狂気の表現がよすぎるんだよ……

エチオピアの捕虜が連れて来られる場面、悲しみのあまりかサウフェがウバルドの脚に縋り付くんだけど、ウバルドはそれを優しく励ますみたいなお芝居をされてて。

本来ならウバルドも弱いものを助ける優しい人だったんじゃないかな……って思ってしまって、つらいです。

そしてサウフェもそんなウバルド込みでエチオピア王家を尊敬していたんじゃないかな……これ考えれば考えるほどつらくなってくるな……

もしも平和な世界に生きられたなら、という悲しい「もしも」を考えさせる力のある極美さんのお芝居は最高なんだよ。

 

天飛華音くんのメレルカ

やっぱり1000人2000人規模の劇場だといっそう輝いて見えるなこの方……って思いました。

2幕のゆるい一つ結びが似合ってておしゃれでした。

メレルカもケペル同様「生きるとは何か、死ぬとは何か、戦場でしか学べなかった」人の側面を強く感じました。

またエチオピア兵いたぶる時の表情が怖くてすごかったので円盤でも映ってるといいなあと思います。

 

その他の方のこと

今回特に感じたのは音咲いつきさんの底力がすごいということです。

また極美さんを柳生ほど見られなかったのと同じ理由でたくさんは見られませんでしたが、ひろ香祐さんも流石の安定感でした。

カマンテはしっかり者だったんだろうな……と思います。

輝咲玲央さんのアモナスロも、なこアイーダと極美ウバルドの父である説得力ありまくりでした。

都優奈ちゃんのエトワールがすごかったです。

 

『王家に捧ぐ歌』という作品そのもののこと

正直ツッコミどころはあると思います。

でもそのツッコミどころを押し切るメッセージ性の強さもあると思います。

星組ファンになってから贔屓が木村先生の作品に出るのははじめてのことで、(宙組の王家は観ていたものの)驚きや困惑もありましたが、なんだかんだでいい思い出になったと思います。

あと上田久美子先生と真逆の作家性を持っているというのはメチャメチャわかる、上田久美子先生がアイーダ原作でなにかをつくったら絶対この作品と同じものにはならないもん……

 

御園座という劇場のこと

宝塚大劇場と違い、座席が互い違いになっていない上勾配がないので、舞台上で這いつくばる人がいると見えづらいです。

生徒さんの立ち位置にもよりますが、もし選べるのであれば(見切れが生じますが)サイドか2階席をおすすめします。

トイレは割と多かったです。梅芸よりはあった印象です。コインロッカーもあります。

 

おわりに

結論としては「贔屓のことを、そして星組のことをさらに好きになった公演」でした。

毎回言ってる気がするけど。

次はめぐり会いは再びというハッピーラブコメと藤井先生の熱いショー!

全力で楽しんでいきます!